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前立腺がんとは

日本の前立腺がん患者数は近年急増しています
日本の前立腺がん患者数は近年急増しています
前立腺がん患者数 ブルークロバー・キャンペーン 前立腺がん 早期発見 適切治療

前立腺がんは、中高年男性に多くみられるがんです。近年の高齢化、食生活の欧米化と検査精度の向上による正確な診断により、日本人の前立腺がん患者数は増えています。1年間で新たに発見されるがん患者数を罹患数といいますが、男性がんの中で、2014年の前立腺がん罹患数は75,400人で、胃がん、肺がんに次いで第3位でしたが、2015年の罹患数は98,400人で第1位になりました(「がんの統計’15:公益財団法人 がん研究振興財団」より)。 2012年発行の「がん・統計白書2012−データに基づくがん対策のために(篠原出版新社)国立がん研究センターがん対策情報センター」では2020年から2024年に第1位になると予想されていましたが、それより5年以上も早く第1位になってしまいました。

一方、米国では、前立腺がん罹患率(新たに病気にかかる人の比率)は30年以上前から男性がんの中で最も高く、25年前より男性がん死亡原因の第2位であったため、社会問題になっていました。しかし、1980年代後半から普及した前立腺がん検診と適切な治療の結果、1992年以降は死亡率が低下し続けています。

日本では前立腺がん死亡数は依然として減少しておらず、近年では男性がんの中で6 番目の死亡数です。2 0 1 5 年には1 1 , 3 2 1人が前立腺がんで死亡したと報告されています。これは乳がん死亡数( 1 3 , 6 9 5 人)とほぼ同等で、子宮がん死亡数( 6 , 4 2 7 人)の約2 倍です。(「平成2 7 年人口動態統計月報年計(概数)の概況より」)

前立腺がん検診を受診すると、前立腺がん死亡のリスクが確実に低くなることが証明されています。住民検診では前立腺がんのリスクが高まる50歳以上から、人間ドックの受診機会がある方は、より早い段階で自分自身の前立腺がんの罹患リスクを知るために、40歳代から前立腺がん検診を受けることが大切です。

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前立腺のはたらきと前立腺がん

 前立腺とは、男性だけが持っている臓器で、膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲むように位置しています。通常はクルミのような形と大きさで、内部は中心部にある内腺と、辺縁部の外腺に分けられます。精液の一部である前立腺液を作り、精子の運動機能を助けるはたらきをしています。

中高年男性に多い前立腺の代表的な病気は、前立腺肥大症と前立腺がんです。

前立腺肥大症は、内腺が大きくなる良性の病気で、腫大した内腺が尿道を圧迫・刺激することなどで、「おしっこが出にくい」、「トイレの回数が多くなった」、「おしっこをしたあとすっきりしない」などの排尿に関する症状が現れます。

前立腺にできるがんを前立腺がんといいます。一般的にはがんの増殖速度は緩やかで比較的おとなしいのですが、一部には急激に増殖するものもあります。多くは尿道から離れた辺縁の外腺にできることが多いため、排尿に関する症状が出にくく、自分自身で気付くことはありません。がんが大きくなり、尿道などに浸潤すると血尿や前立腺肥大症のような自覚症状が出ることがありますが、無症状のまま転移(主な転移部位は骨)をきたすこともあり、骨転移が広がると「腰が痛い」などの症状が現れます。

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