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「アクティブサーベイランス(監視療法)」とは

 アクティブサーベイランスとは「すぐには治療を開始しない」治療法です。PSA検査などで様子をみながら、PSA値上昇など病勢進行が確認された段階で、手術療法や放射線療法などの根治療法を行うものです。監視療法とも言います。

 「前立腺がんの10年間の死亡率は監視療法と根治療法で差がなかった」との試験報告が2016年9月にありました。

このタイトルだけ見て「前立腺がんは治療しなくてよい」と勘違いしないでください。

 この試験の対象になったのは限局性の早期がんでPSAは20ng/mL未満(中央値4.6ng/mL)、ほとんどの人が悪性度の低いがん(グリーソンスコア6が77%)です。それでも監視療法でスタートした人の55%が監視療法を中止し、結局は根治療法を受けることになりました。10年間の観察期間中の死亡率には差がありませんでしたが、転移がんが見つかった人の割合は、監視療法では根治療法の2倍以上でした。

 でも、45%の人は10年間治療をせずにすみました。

 ​悩ましいところです。

どの治療法でも同じですが、医師と充分に話し合い、利益と不利益をよく理解したうえで個別に判断することが大切です。

 監視療法についてはこちらもご覧ください

(2017年4月)

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