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前立腺がん検診の有効性に関する対立

 

 2009年に前立腺がん検診を「有効」とする論文と「無効」とする論文が同時に掲載され、世界中の人々を混乱におとしいれました。しかし、2016年のアメリカ泌尿器科学会でついに決着がつきました。「検診は無効」としていたPLCO研究では、「検診を受けたグループと受けなかったグループで死亡率に差がない」と結論づけていましたが、その後の確認調査で検診を受けないことになっていたグループの90%以上の人が検診を受けており、検診を受けるグループの受けた割合と差がないことが分かりました。これでは死亡率に差がでなかったのは当たり前です。

 一方「検診は有効」としていた研究のその後の調査では、受けたグループと受けなかったグループの死亡率の差は時が経つとともにさらに広がり、検診の有効性は確実となりました。

 国立がんセンターが出している検診の有効性評価は、2009年から改定されていません。混乱を終結させるために、早期に改定してほしいものです。

(2017年3月)

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